いよいよ新しい年の始まりです。太陽黒点数が低迷している状況では今年は40mがDXバンドの中心となるのではないかと考えています。今年最初の記事としてベランダアンテナに関して書いてみます。
再開局から3年間の間にベランダに設置しているアンテナに対して色々なことを試してきました。安定した状況になるまでは試行錯誤が必要ですが、いったん安定したら、あまりいじらず、アクティビティを上げた方が良いです。ベランダに設置するアンテナでいくら工夫しても、物理的な制約により送受信が目に見えて良くなることはありません。これが現実です。アンテナをいじるよりワッチした方が確実にエンティティは増えます。
アンテナの変遷
- Diamond SD-330
150W CWで常用した結果、半年でコイル焼損。200Wで常用したいため使用中止。 - HI-Q Piranha 4/80
これにより200W常用が可能となった。80mへのコイル移動時間は1.と比較して、50秒→20秒に短縮。200W常用可能となったことと合わせてこの変更は正解でした。 - HI-Q Piranha 5/80R
80mでの効率アップを期待して購入。HI-Q Piranha 4/80との送受信の差は切り替えて比較したわけではないのですが、感覚的には差は無いと思われます。コイルを殆ど使用しない40m以上のバンドでは更に差はないと考えられます。キャパシティーハットを取り付けるとなんと160mに同調します。
ベランダのアース
- ベランダの手すりにアース
30m以上のバンドはこれで安定して使用可能でした。 - 銅箔テープによるベランダへの容量結合
1.と併用すると送信パワーを上げていくとSWRが不安定となるため使用中止。 - ベランダへのカウンターポイズ
40m, 80mは1.のみですとマッチングがとれませんでした。1.25SQの電線5m x 10本で安定して使用できています。ベランダに這わす場所には最適解が存在しますのでかなり試行錯誤しました。
アンテナやベランダのアースに関しては試行錯誤してきましたが、3年間の交信ログを確認すると交信状況に顕著な差があったわけではありません。エレメントの長さを長くしたところでベランダにアンテナを設置している限り、大したことはできず、アンテナの効率が良くなることはあまり見込めません。
私の至った結論は以下のとおりです。
- ベランダに設置できるアンテナは物理的サイズで限界があるため、どんなに手を加えても送受信が良くなることはあまり期待できない。適当なところで妥協し、ワッチする時間を増やすべきである。
- 弱小局に対してオープンしている時間は短い。またオープンしている時間が長くてもパイルアップになると厳しい。そのため、常時ワッチが可能な状況としている必要がある。したがって、常設が困難なベランダアンテナは好ましくない。例えば、大きくて目立つものや強度に不安があるものは避ける。
アンテナいじりは面白いので、それ自身を否定するわけではありません。時間は有限ですので、交信エンティティを増やすという目的でアンテナばかりに目を向けてしまうのはバランスがよろしくないということです。
HI-Q Piranha Antenna