無線とピュアオーディオ JN1NBU

無線とピュアオーディオ JN1NBU

2015年11月に再開局しました。25年間のブランクがあります。ピュアオーディオは私の中では「あがり」と考えていますが新製品が発売となるとつい気になってしまいます。沼とならないよう自制するのが大変です。

知人がオークションサイトで購入した マークレビンソン No.530Hシリーズの電源電圧変更

注意1)あたりまえのことですが、当記事を参考にして電圧変更をされるのは全て自己責任です。やり方を間違えるとトランスやアンプ部分の損傷を招きます(間違え方によってはかなりの確率で壊れます)今回は知人が解析し、その結果が正しいかどうか私がリモートで確認しながら対応しました。

注意2)説明している箇所については全て写真を撮っており、回路図も作成していますが、理解せずに実施されると故障や事故を招くことになるため、それらは公開いたしません。

教訓)正規代理店や懇意の販売店以外で購入される場合、想定されるトラブルなどのリスクも含めて購入されるかどうか十分に考えた方が良いです。今回は購入価格(ナイショです)を鑑みると良かったということになりますが、隠された不具合に気づかなかった場合、本来と違う音を聴き続けることになってしまいます。(販売店も気がついていない可能性があります)

 

知人が某オークションサイトでマークレビンソンのパワーアンプ No.53xHを購入しました。(No.53xHのxは特定を防ぐため伏字です。すべてのシリーズで同じ構造とは限りません)

「販売店が出品」「程度が良さそうであった」「相場より安い」といったことが購入理由です。

購入後、どうも音に覇気がありません。早速点検すると、簡単にアクセスできる場所に電圧変更のジャンパーピンがあります。

  • 100/115Vと230Vのポジジョンがある。
  • 100/115Vのポジジョンにジャンパーピンが刺さっているけど1本少ない
  • 100/115Vが共通のポジションで良いのか。内部に電圧変更部分があるのではないか

トランスの構成としては以下のようになっていると推測したからです。

一次側0V-100V-115Vの巻線が2回路ある。

  • 100V用は0V-100Vのタップを2回路並列
  • 115V用は0V-115Vのタップを2回路並列
  • 230V用は0V-115Vのタップを2回路直列

早速販売店に送り返してチェックしてもらいました。この段階で返品を申し入れたのですが、壊れていないという理由で返品は受け入れられませんでした。

数日後にジャンパーピンが2本になって送付されてきましたが、音の傾向には懸念点が残ります。

輸入代理店のハーマンインターナショナルに有償でのメンテナンスの相談しますが、経緯を説明する過程で「改造している認定」されてしまい、メンテナンスを断られました。相談している過程で「海外の正規代理店で購入したもの」であれば対応いただける感触を持ちました。

返品もできないので、意を決して内部を開けて解析を行いました。

解析結果)

(1)ジャンパーピンを変更した部分は制御部分のトランスであった。

  • トランスは0V-115Vの巻線が2回路ある
  • 100Vは115Vのポジションを使用。電圧安定化のためのレギュレータが入っているため問題なし
  • 当初ジャンパーが1本しかないときは、0V-115Vの巻線を1回路しか使っていない状態。トランス容量が半分の状態。危ないじゃないか!

(2)アンプ部分の電圧変更する所は(1)とは別の場所にあり、専用のプリント基板(ジャンパー基板)でジャンパーしている。

  • トランスの構成は0V-100V-115Vの巻線が2回路ある(100Vポジションがあってよかったです)
  • なんと、専用のジャンパー基板は230V用であった。(驚愕の事実!!!)

これで音が出ていたから不思議です。アンプ部分には半分以下の電圧しかかかっていません。制御部分が稼働しているので音が出たのでしょう。

トランスやジャンパーの位置に電圧表示が一切ないため、抵抗値を測定し、電圧と巻線の関係を解析し、別途ジャンパーケーブルを作成して、0V-100Vの巻線を並列に接続できるようにしました。トランス1次側のヒューズ容量の指定が機器内部に刻印されておりました。230V用の7Aから100V/115V用の15Aに変更するのも忘れてはいけません。

とても満足のゆくサウンドになったとのことです。

もし手放すときは、230V用に戻し、経緯を説明して売却するのが良いと考えています。

マークレビンソン No.530H シリーズ)スピーカーが覚醒します。デザインも良いです。

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